精密根管治療

重度の虫歯でも歯を残すために~根管治療~

重度の虫歯でも歯を残すために~根管治療~

虫歯は、プラーク(歯垢)の中の虫歯菌が出す「酸」によって歯を溶かされていく病気です。放っておくとどんどん進行し、歯の表面のエナメル質から象牙質へ、そしてその内側の神経にも達してしまいます。歯の神経にまで達してしまった重度の虫歯は、以前であれば抜歯を余儀なくされていました。しかし、医療技術の進歩により重度の虫歯でも歯の根を残すことが可能になってきています。その治療法が「根管治療(こんかんちりょう)」です。

東京都世田谷区用賀の歯医者で東急田園都市線用賀駅北口から徒歩1分の松本歯科医院では、一人ひとりの患者様に合わせた最善の根管治療、「精密根管治療」をご提供しています。

精密根管治療とは

精密根管治療とは

根管治療とは、歯の中の神経や血管が入っている細い管「根管」の中の虫歯菌に汚染された神経や血管、歯質を除去し、洗浄・消毒して、すき間ができないように薬剤で密閉する処置です。その上に支台を作製し、人工歯を被せて歯の機能を補います。

精密根管治療とは

根管治療で大切なのは、根管内に細菌を残さないこと。少しでも汚染組織を残してしまうと治療後に再発してしまうのです。根管はとても細いうえ、複雑な形状をしているため、裸眼で捉えるのは困難です。当院では、患部を2~24倍にまで拡大視できる「マイクロスコープ」を用いて、リアルタイムで目視しながらの精密根管治療を行っています。

根管治療を成功させるポイント

マイクロスコープの使用

マイクロスコープの使用

米国では、根管治療にはマイクロスコープの使用が必須とされています。精密さが要求される治療であるため、経験や勘に頼るのではなく、ドクター自身の目で目視しながら処置を行うことが求められるのです。事実、国内外の多くの根管治療のスペシャリストがマイクロスコープの有効性を認識しており、当院でも高精度な治療にはもっとも必要不可欠な機器であると考えています。

歯科用CTを用いた診査・診断

歯科用CTを用いた診査・診断

複雑な形状をしている根管内の状態を詳しく把握するために有効なのが、「歯科用CT」です。従来の平面的なレントゲン画像とは異なり、歯の中の状態を3次元的に解析・撮影してチェックできるため、より正確な診査・診断が可能になります。

経験豊富な医師による安心の診療

経験豊富な医師による安心の診療

根管治療では、さまざまな新しい医療機器を活用します。その機器をしっかり使いこなす医師の技量の高さも根管治療の成功率に大きく影響します。経験豊富なスペシャリストによる治療なら安心です。

当院の精密根管治療

使用機器・器具
マイクロスコープ

マイクロスコープ

暗く見えにくい患部に光を照射しながら拡大視しながらの診療を可能にする医療機器です。マイクロスコープを使用することで治療精度を格段に向上させることができます。

>>マイクロスコープについて詳しくはこちらもご覧ください

ラバーダム

ラバーダム

根管内に細菌が侵入しないように歯に装着するゴム製のシートです。使用が推奨されている器具ですが、保険点数が低すぎるという理由で使わない歯科医院もあるようです。当院では根管治療の精度を高めるためにラバーダムを使用しています。

MTA

MTA

MTA(ミネラルトリオキサイドアグリゲート)とは歯科用の水硬性セメントです。強アルカリ性で細菌を死滅させる作用が高いうえ、生体親和性や密閉性に優れている充填素材です。歯の神経を保護するために使用します。

NiTi(ニッケルチタン)ファイル

NiTi(ニッケルチタン)ファイル

根管治療で歯の神経を除去するために使用する医療器具です。従来のステンレスファイルにくらべ、高い弾性があるので、作業がスムーズで歯根を傷つけにくいのが特長です。

さまざまな処置について
根管洗浄

根管治療ではさまざまな器具を用いて根管内から感染部分を取り除きます。しかし根管内は複雑な形態をしているため、器具を用いた機械的な処置では汚染部位を完全に除去することは困難です。そのため、次亜塩素酸ナトリウムなどを使用した化学的な洗浄を併用します。当院では、根管治療の分野において世界中でトレンドになっているシステム、Er:YAG レーザーニを併用した洗浄システムを用いています。

できるだけ神経を保存するMTAセメント

歯の神経の除去はできるだけ避けたい処置です。なぜなら、歯の神経や血管を取り除いてしまうと歯への栄養がいきわたらなくなり、歯がもろくなってしまうからです。歯の根の中の細菌感染のリスクも、歯の根が割れてしまうリスクも高まってしまいます。

虫歯治療を行う際、歯の神経のすぐ近くまで虫歯の汚染が進んでいる場合、従来ならば根管治療を行って、神経を抜かなければなりませんでした。しかしMTAセメントを使用することで神経を保存できるようになってきています。また必要に応じてEr:YAG レーザーを用いて神経の露出部分を消毒して治療の確実性を向上させています。

穿孔のある部分への対応

穿孔(せんこう)とは「あな」のこと。歯根の汚染状況により、治療中に外側に向かって「あな」が開いてしまうことがあります。また穿孔は歯の形態にそぐわない器具の使用によっても起こります。穿孔に気付かずに適切な処置を行わないと、病変が拡大して歯ぐきが腫れてしまうこともあるので注意が必要です。穿孔がある場合は、まわりの感染歯質を除去し徹底的に化学洗浄を行いMTAで封鎖することで歯を保存できる可能性が高まります。

破折歯への対応

歯が破折してしまっていると抜歯に至るケースがほとんどです。破折具合によっては治療が可能な場合があるため精密な診査が大切です。破折ラインがどの位置にどのくらいおよんでいるのか、破折部位が接しているのか離れているのか、また染色液に染まるような感染があるのかなどを詳しくチェックして、治療を行う必要があります。

破折器具の除去

根管治療(抜髄治療)を行ったあと、まれに再感染してしまうことがあります。その際に行うのが「感染根管治療」です。この再治療を行う際に、以前の治療で折れ込んでしまった器具を発見することがあります。破折した器具自体が問題を起こすことはほとんどありませんが、その周辺に感染がみられる場合は、注意深く取り除かなければなりません。

このような場合、当院ではマイクロスコープで確認しながらEr:YAG レーザーを用いて破損器具のまわりをほんの少し溶かし、さらに振動器具を用いて慎重に除去します。根管が曲がっている「湾曲根管」などの場合は外科的処置(外科的歯内療法)が必要になる場合もあります。

外科的歯内療法

感染根管治療を行っても、さまざまな要因により治療結果が思わしくない場合があります。そのような場合に行うのが「外科的歯内療法」です。膿がたまっている部位の近くの歯肉を切開して病変を取り除きます。必要に応じて、歯根の先端部を3mm程度カットしてから根尖(根の先)付近の感染源を取り除き、MTAを用いて根尖部分を封鎖します。

意図的再植

外科的歯内療法でもうまくいかない場合は、一度注意深く抜歯をしたのち、口腔外で根っこ先端部を除去して封鎖してから元の位置に戻す「再植(さいしょく)」を行うことがあります。親しらずを除いた一番奥の歯(7番目の歯:第2大臼歯)に用いられる治療法です。歯根破折が起こっている場合においても、一度慎重に抜歯してからお口の外で接着してから元に戻せる場合があります。

精密根管治療の流れ

Step1:
ラバーダムの装着
Step2:
神経除去
Step3:
根管の採寸
Step4:
洗浄
根管治療の精度を高めるため当院ではラバーダムを使用しています。 根管内の虫歯菌に汚染された神経や血管を取り除きます。 専用の器具を用いて根管の長さを測ります。 根管内を洗浄します。
Step5:
消毒
Step6:
充填
Step7:
土台装着
Step8:
人工歯装着
洗浄後、細菌が残らないように根管内を徹底的に消毒します。 根管内にすき間ができないように薬剤をしっかり詰めて密閉します。 金属やグラスファイバーなどの素材の土台(コア)を装着します。 土台の上にクラウン(被せ物)を装着して治療完了です。

根管治療の症例はこちらから